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zoom RSS オリンパスが巨額の損失隠しで上場廃止の危機…

<<   作成日時 : 2011/11/10 11:42   >>

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先日の記事で「限りなく黒に近いグレー」(※)と評したオリンパスの不透明支出は予想通りクロでした。


事実関係から見て脱税か粉飾か横領か何かが隠れているのだろうとは思いましたが、案の定の粉飾でしたね。証券取引等監視委員会やFBIの追及を受ける前に自ら公表した点だけは辛うじて体面を保ったと言えるかもしれません。しかし、今回の粉飾の公表は単なる現経営陣の自己保身に過ぎないことは明らかで、全ての責任を菊川元会長と森元副社長にかぶせ、「私たちは何も知りませんでした」とシラを切り通すつもりのようですな。


<オリンパス>損失隠し千数百億円
(毎日新聞 - 11月09日 12:00)

オリンパスの不正経理問題で、同社が有価証券などへの投資で出した損失が千数百億円に上っていたことが関係者への取材で明らかになった。損失隠しには、含み損を抱えた有価証券などを社外の投資ファンドへ移し、損失を表面化させない「飛ばし」の手法が使われていたという。

オリンパスは過去の決算を訂正する方針だが、大幅な下方修正は必至。14日に延期していた11年9月中間連結決算の発表はさらに遅れる可能性もある。そうなれば東証の監理銘柄に指定されることになる。

オリンパスは財テクに失敗し、バブル崩壊後の90年代、有価証券などの値下がりによって多額の含み損を抱えた。関係者によると、含み損は千数百億円に上り、決算で損失を計上する必要があったが、「会社の株価や業績に影響が出る」との判断から、歴代社長や総務担当役員が代々先送りしてきたという。

損失の表面化を回避するため、オリンパスは日本の証券会社出身者らと協力し、社外の複数の投資ファンドへ含み損を抱えた有価証券などを移し替えた。そのうえで、英医療機器メーカー「ジャイラス」の買収に伴う投資助言会社への支払い660億円(当時の為替レート換算)や、国内3社の買収費用734億円の大半をこれらのファンドへ還流させ、損失をひそかに穴埋めしていたとみられる。

オリンパスの企業買収に絡む不正を調査している第三者委員会(委員長・甲斐中辰夫弁護士)も一連の経緯を把握している模様。今後、関係者への聞き取りなどを本格化させ、損失額や「飛ばし」のスキームの全容解明を進める。【竹地広憲】



最初にウッドフォード氏が告発した時点で徹底的に内部調査を始めて自ら発表していればまだ良かった。しかし、今回の公表は内部告発を受けて国内外のメディアやFBIまでも調査を始めるなど徐々に外堀を埋められ、どうにも逃げ切れない状況に追い込まれてやむなく公表したに過ぎず、刑事ドラマに例えるならば厳しい取り調べを受けて決定的な証拠を突きつけられた犯人が追い詰められて自白したようなもの。これでは自浄作用が働いたことにはならず、市場からの信頼回復には時既に遅しの粉飾公表でした。

現経営陣が今回の粉飾を本当に何も知らなかったのであれば、ウッドフォード氏が最初に告発した段階でもっと真剣に調査に乗り出したはず。それをせずに菊川元会長と共に社長解任動議に賛成票を投じた訳ですから、とても知らなかったとは思えません。

しかも、ウッドフォード元社長と同じように「不正ではないか」と疑い持った前の監査法人(あずさ監査法人)は指摘した直後に新日本有限責任監査法人に切り替えられています。そして新日本は適正と太鼓判。監査法人の交替は今回の粉飾とは無関係と言っていますが、第三者的に見るとどう考えても不自然であり、現経営陣も秘密を共有していた同じ穴の狢という可能性が極めて高い。

仮に本当に知らなかったとしても、ウッドフォード氏が就任して半年も経たないうちに発見できた不正をこれまで20年近くに渡って見逃してきたのですから、「知らなかったんだから責任はない」という弁解は成立しません。古典的な手法の粉飾を見抜けなかったという時点で経営を監視する取締役としての機能と責任を全く果たしておらず、自ら辞任して報酬も全額返上することを要求されても文句を言える立場ではないでしょう。そうでなければ、株主やオリンパス製品を使うユーザー、そして4万人という自社の従業員をも二重の意味で裏切る行為です。

オリンパスは企業イメージも良かったし、内視鏡で世界シェア約75%を誇る日本を代表する優良企業でした。しかし、本業の方でしっかり儲かっているにも関わらず、バブル期に本業以外の儲け話に乗り、デリバティブで大やけどをしていたことを公表してこなかった為、どこかで辻褄を合せる必要に駆られて粉飾という禁断の果実に手をつけたようです。似たような日本企業はゴマンとありましたな。そういう企業は2000年前後に一通り排除されたものとばかり思っていましたが、まだしぶとく生き残っていたとは驚きです。

本業の方は業績好調なのだから、どこかの段階で早くこの事実を公表して損失処理をしていれば、遥かに浅い傷で済んだはず。仮に一時的に業績の悪化や株価低迷を招いたとしても、長期的に見れば速い段階で膿を出した方が得策なのは過去の粉飾企業の例を見れば明らかです。

しかし、オリンパスの経営陣はそれをしなかった。リスクの高い金融商品への投資で大損を出した経営判断の甘さを追及されるのを恐れ、保身に走ってそれを隠し続けたと思われても反論の余地なし。早い段階でごめんなさいして辞任していれば、満額は無理でも一部くらいなら退職金も貰えたかもしれませんが、隠し続けて事が大きくなってしまった今の段階では下手をすれば被告人として逮捕されかねない状況です。

オリンパスは現経営陣を一掃して経営を抜本的に建て直さない限り、株式市場からの信頼回復は望めないでしょうね。自業自得とはいえ株価はこの1カ月余りの間に4分の1に急落。影響の大きさはオリンパスだけでは済みません。短い期間だけとはいえ、日本を代表する最大手の監査法人がこのような大きな粉飾を見抜けず適正の印を押していたことで、日本の市場全体や多くの日本企業に対する信頼が揺らぎました。経営陣はオリンパスの上場廃止を避ける為に必死ですが、不正の代償はどういう形で払っていくつもりなのでしょうか。










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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
オリンパスも最初は小さな会社で、OM-1が出るまで一眼レフのカメラなんて作っていない会社だったんですが。
やはり医療分野が、内視鏡自体が日本発祥なのでシェアが高いです。というか、開発にかかわっていたと思います。
指摘した監査法人を変更したり、原発といい情けない国日本になりましたね。
v740gle
2011/11/12 11:20
v740gleさんこんにちは!コメントいつもありがとうございます!
>指摘した監査法人を変更したり、原発といい情けない国日本になりましたね。

ニュースの第一報を最初に聞いた時は監査法人もグルじゃないかと思いましたが、あずさはちゃんと不適切と指摘していましたね。それを不正に見て見ぬフリをしてくれるところに変更したのだから確信犯です。

原発問題でのやらせメールや安全対策の不備など、大企業が必要な経費をけちったり、飛ばしを使って業績を良く見せようとするなどセコい不正が目立ちますね。これも経営者が自分たちの経営能力を実際より良く見せようとあがいているからでは。大企業の経営者の方々には業績をごまかしたり、つまらない前例主義に囚われるよりも、何か新しい革新的なアイデアを生み出すことに神経を集中して欲しいものです。
マチベー
2011/11/13 17:10

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