絶対安静・・・

誰でもよくお医者さんから「安静にしていて下さい」と言われることがよくありますよね?

ロイスさんの「外来診察」を読んでいたら、入院中の記憶が甦ってきました。
なので忘れないうちに、書いておこうと思ったりして。

誰もが考える「安静」のイメージっていうと、ゆっくり休んでゆっくり横になって・・・とか、
無理をせず激しい運動は控えて・・・とか、そういうイメージですよね。
どっちかっていうと優しさというか、体をいたわるイメージというか・・・。
しかしながら「絶対安静!」となると、全く話が違ってきます。
絶対安静っていうのは、何はさておき、無理してでも安静なんです。
全ての物事に優先してでも、横になっていなければいけない状態が絶対安静なんです。

病院には安静度っていうのがあって、患者の状態に応じベッドに対して15度まで、30度まで、45度までならば体を起こしてもいい、という基準が決まっています。
全ての病院がそうなのかは知りませんが、少なくとも僕がいた病院ではそうでした。
健康な人間は、常に直立して生活していますよね。
つまりは90度に体を起こして生活しているワケです。
ですから良くなるにつれ、少しずつ90度に近づけていくんです。
それに対して絶対安静というのは、24時間常にベッドに横になっていなければいけません。
つまりベッドに対して0度の状態を24時間キープし続ける事を意味します。
この24時間0度をキープというのは、直立して90度で生活するという人間の本能との闘いです。

例えば寝ている時に、誰かがお見舞いに来てくれたとします。
誰が来たんだろう・・・と思って、反射的に顔を上げようとしてしまいます。
しかし上げたらバツです。ナースがどエライ剣幕で怒鳴りながら、すっ飛んできます。
「○○さん!何やってんの!!寝てなきゃダメ!ってさっきも言ったでしょ!怒。」
という具合。
たかだか10センチぐらい頭を持ち上げることすら許されません。
ですから水を飲む時も横になったまま、ご飯を食べる時も横になったままです。
寝たままで水を飲むと変なところに入っちゃったりして苦しいし、寝たままで食べるご飯はマズくて食が進みません。ホントに苦痛以外の何モノでもありません。
しかしそこまでしてでも、横になっていなければいけないのが絶対安静の恐ろしいところ
僕の場合は少しでも頭を上げると、激しい頭痛と吐き気に襲われてすぐに吐いてしまう状態だったので、絶対安静が求められました。

しかしそれだけじゃ済みません。それはまだ序の口。
その他に体中に様々な管や針や電線や電極が取り付けられます。

代表的なところで言えば点滴。栄養剤から痛み止め、吐き気止めに至るまで、数種類の薬品を注入されます。全部違う点滴から入れたら体中点滴だらけになってしまうので、数種類の薬を何本かの点滴にまとめます。これ1本だって鬱陶しい事この上ないのに、それを2,3本入れるんですから大変なものです。上手く針が入らないと、何回も入れ直したりして痛いです。しかも針が抜けないように止める為のテープで肌がかぶれてしまい、赤く晴れ上がってしまったりもします。
人によっては、これにプラスして輸血が必要になる場合もあります。
僕はこの輸血だけはしなくて済みました。

そして酸素マスク。鼻から管を入れて酸素を注入します。最初はホントのマスクでした。
ある程度良くなってくると管に変わります。このマスクにしろ管にしろ、プラスチック製だったりゴム製だったりするので、何ともいえないイヤなニオイが気になるんです。
それでつい、無意識に管やマスクを外してしまいます。
そのたびに「ちゃんと付けてないとダメですよ!外したら死んじゃうよ!」とナースに怒鳴られます。
ナースだって患者を助ける為に真剣ですから、怒る時も真剣に怒ります。
怒られるのは分かっちゃいるし、怒られたいワケでもありません。
もちろん死にたくもないんですが、臭くて無意識で外しちゃうんですね。それでナースに怒られます。

さらに各種の計測機器類。腕にも胸にも頭にも指先にも、血圧計から脳波計から心電図?に至るまで、数種類の計測機器が体のあちこちに取り付けられます。
「ピッ、ピッ、ピッ・・・」と機械が鳴っていて、それが止まった瞬間に「ご臨終です」と医師がつぶやくあの場面。テレビドラマで良く見かけるあの場面と同じヤツです。
患者の状態を数値の上でも確認して、客観的に正確な状態を把握するためなんでしょうが、これまた鬱陶しいんですよ。ワザと外したつもりはないんですが、知らない間に外してしまっています。

さらにさらにオシッコの管が入れられます。正確には尿道カテーテルと言うんでしょうか。
以前の記事(※)でもご紹介したんですが、この管を入れたり抜いたりするのが痛いのなんのって!
医療機器メーカーで働く友人は、このオシッコの管を「ロスト・ヴァージン」と例えましたが、上手い事言うもんだとやけに感心してしまいました。いやそれぐらい痛いんですよ。大事なところの先っぽから細い管を差し込み、キン○マ袋の中まで入れて、オシッコを強制的に体外へ排出させます。入院中はなんといってもこれが一番辛かった。入れる時は意識不明だったので分かりませんでしたが、抜く時は意識がハッキリしてからだったので、あまりの痛さに涙チョチョ切れました。泣。

ここまででも充分過ぎるほどの苦痛なんですが、
さらにさらにさらに!究極なのが抑制帯
起きあがって生活する事は人間の習性であり、人間の本能だと書きました。
その習性や本能を抑制するにはどうするか・・・。その答えが抑制帯です。
早い話が抑制帯というものを使って両手・両足を縛り付けた上で、さらに胴体をベッドに縛り付けて固定するんです。イメージ的には、悪者に拉致されて捕まっちゃった時の峰不二子、といえば思い浮かぶでしょうか。そうして身動きを取れなくしてしまって、強制的に安静にさせるんです。
そうしないと無意識で起きあがったり、点滴だの計測機器類だのを外しちゃうんです。
患者本人はそれが治療上必要な事で、自分がそこまで悪い状態であるという事が自覚出来ないんですね。なのでこれはもう究極の最後の手段です。
抑制帯の使用に際しては、必ず同意書の提出が義務づけられています。

こうした一連の経験にのっとって考える僕のイメージでは、
「安静=平和」であり、「絶対安静=戦争」です。
牢獄以上刑務所以下、捕虜よりは人間的だが犯罪者よりは非人道的な扱い・・・
とも言い換えられるでしょうか。ここまでくるともうミジメなんていう生易しいレベルを超越しています。
今となっては遠い記憶の彼方の出来事なんですがね。
つくづく治って良かったなーと思いますよ。
そうならない為には、日頃の健康管理を怠らないことなんでしょうね。

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この記事へのコメント

2005年08月10日 13:12
まずはトラックバック、有り難うございました。m(_ _)m
“くも膜下出血”という病名から深刻さは理解できましたが、
あらためてみると凄まじい入院生活でしたね。
医師や看護婦は優しい口調で“えげつない”指示を出します。
苦しんでいる患者に対して、同意書を書かせることも多いですし…(-_-)
入院生活というモノは“人としての尊厳”も失いかねません。
経験してから解りました、健康の大切さを。
健康の大切さを訴えつつ、昼間から酔っぱらってるロイスでした(笑)
2005年08月10日 14:10
ロイスさん早速のコメントありがとうございます!
まあ僕自身は意識があったり無かったりで、自力では同意書にサインすることすら出来ず、全部家族に任せてあったので選択の余地はありませんでしたが。
昼間っから酔っぱらってる~?なんて羨ましい!笑。
2005年08月10日 15:05
おひさしぶり~。マチルダちゃん。大変だったね~(;_ _;) シクシク
状況はかなりちがうけど、うちのツイン君たちが、保育器でいろいろな機具をつけられていたのを思い出しました。足に点滴、鼻に管、身体にいろいろな線を貼り付けられてて、うちの子達はまだ大きい方だったけど、小さな身体に痛々しいほどだった(TOT) ダー 彼らは、まだ何もわからない赤ちゃんだったので、辛いという感情はなかったかもしれないけど、大人になってからはきついよね。ずーっと寝ていたいと思うのも、元気だからだし、大変な思いをして元気になったんだね。
でも・・・こうしてブログに書くことが出来るくらい元気になって本当に良かったです(^^)
●◎●◎奈美●◎●◎
2005年08月10日 16:31
奈美です。こんにちは。

リハビリ生活もマチルダと一緒なら、

寂しくないですか?

奈美は最近アルバイトを始めました。

ばたばたしてます。

アルバイト初心者だけど、

働いた後の疲れも、ありかなって思ってます。

そーだ、アルバイト先の制服、

かわいかったので、写真に撮りました。

結構気に入ってるので、

良かったら、見て下さい。

(●‘ー‘)奈美
http://blog.livedoor.jp/nami_funakura/
るう
2005年08月11日 01:29
大変でしたね
るうもこの間の検査は,痛かったけど
比べようもないですね

まだまだ暑いからお大事になさいませ
2005年08月11日 11:30
おはようございます。
父のことを書いていましたら、長くなりましたのでトラックバックさせていただきました。
ホント、直せるものは直して健康に気をつけないと、と思います。
マチルダベイビー!さんもお大事にしてくださいね。
マチルダベイビー(管理人)
2005年08月11日 14:25
usa-panさんお久しぶり!お元気でしたか?
たぶんお子さん達が夏休みに入って家にいるので、お忙しくてゆっくりネットをやっている時間が無いんだろうと想像してました。笑。
元気な時はずーっと寝ていたいなんて思ったりもしますが、ずーっと寝ている事があれほど苦痛なものとは思いもしませんでした。泣。
マチルダベイビー(管理人)
2005年08月11日 14:28
奈美さんこんにちわ!
ブログはいつも読ませてもらってます!
いつもネコがそばにいるので、寂しさは感じたことがありませんよ。
アルバイト先って、アンナ・ミ○ーズ???
制服がそれっぽいような・・・。
マチルダベイビー(管理人)
2005年08月11日 14:32
るうさんこんにちわ!
だいぶ元気になりましたか?そちらも無理しないで下さいね。
るうさんのコメントで、またまた入院中の辛かった記憶が一つ甦りました!
また記事にしようかな?笑。
忘れないうちに書いておいて、公開するのは先でもいいかなーなんて。笑。
マチルダベイビー(管理人)
2005年08月11日 14:34
エビさんこんにちわ!
トラバありがとうございます!
ご心配いただいてすいません。まあ、書いてるのは半年ちょっと前の記憶をたどって書いてるんですけどね。
後ほど早速うかがいます!
2005年08月11日 22:47
読んで恐ろしくなってしまいました(゜□゜)
私も扁桃腺を切除した時に、傷口が裂けて吐血(牛乳瓶3本分と笑顔で看護婦に言われました(._.))、再手術をした後に、鼻から胃にかけて管を通され、酸素マスクに、点滴、絶飲食、面会謝絶。トイレもいけない。そんな状態になりました。その程度でもかなり苦痛で泣きそうだったのに、マチルダさんの状態はまさに、「牢獄以上刑務所以下、捕虜よりは人間的だが犯罪者よりは非人道的な扱い」そのとおりですね。時が経つと忘れそうになりますけど、入院の思い出を振り返ると健康管理に身が入りそうです。(今は無理かな…?)
マチルダベイビー(管理人)
2005年08月12日 17:17
まるたろうさんこんにちわ!
あのー、コメント読んでみて思ったんですけど、全っ然「その程度」じゃないような気がしますけど?笑。
まるたろうさんのも、かなりのご経験かと思われますが・・・。

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