くも膜下出血からの退院後17!

先日は定期検診で病院に行った。

去年の今頃は集中治療室(ICU)から一般病棟へと移ることが許可された時期だ。
ちょうどその時期のことと思う。
家族の話ではICUから一般病棟へと移された直後の事だったようだ。
その頃は日によって意識があったり無かったりバラついていた。
いや正確には、意識はあるのだが水頭症による意識障害の為、全てが夢の中の出来事のようにおぼろげで、記憶も定かではなかった。
以前の記事にも書いたように、この時期は一般病棟に移ったとはいえ、相も変わらず絶対安静を強いられていた時期でもある(当時の様子

そんなある日、見舞いに来てくれた兄の家族に何か欲しいものはあるかと聞かれ、

「寿司が食べたい!そんな高級なヤツじゃなくていい。
スーパーで売ってるヤツでいいから死ぬほど寿司が食いたい!」


と、病人の特権を利用?してワガママを言った。
ICUから一般病棟に移った事でテレビが見られるようになり、そのテレビのグルメ番組で美味しい回転寿司特集を目にしてしまったのだ。
元々、一人暮らしの頃には一週間、毎日寿司を食べ続けた事があるぐらいの好物である。
そんな番組を見せられれば食べたくならない訳がない。

病院の食事には生モノが出される事はほとんどない。
せいぜい朝食の時にミカンや苺やバナナなどの果物が週に一、二度出されるくらいだった。
恐らく衛生上の問題や調理技術の問題、さらには品質管理上の問題もあるのだろう。
生モノ全般が好物の僕にとって、そんな食生活はある意味、嫌がらせに近いものがある。
その頃の僕の食事はと言えば毎日お粥ばかり。加えて水頭症のせいで常に吐き気が強く、食べる物のニオイを嗅いだだけで吐いてしまうというツワリのひどい妊婦のような状態が続いていた。
そんな状態だったので、ナースからも「どんどん栄養を摂らないと治るものも治りませんよ。」と心配されていた。
内科系の病気と違い、僕には基本的に食事の制限は全く無かった。しかし身体が食べる物を受け付けなかったのでほとんど食事が摂れない日々が続き、入院後に体重が7キロ近くも減った。
捨てるほど体重の余っている人にとっては大した数字ではないだろうが、体重60キロ前後(身長175センチ弱)の僕にとっては、全体重の10%を越える大幅な馬体重減?である。

それから数日後、兄の家族がまた見舞いにやってきた。
言うまでもなくその手には寿司の折り詰めがあった。
もちろん主治医からの「本人が食べられるのであれば何でも食べさせて下さい。どんどん食べて栄養をつけた方が回復も早まります。」とのお墨付きをもらって食べた。
近所のスーパーのテナントで売っている寿司なので、そんなにいいネタを使っているとも思えない。だが人間の味覚というのは状況で大きく変わってくる。
心の底から死ぬほど食べたいと渇望していた食べ物が実際に目の前に並べられたのである。
この日食べた寿司が生涯で一番美味かったものとして記憶に刻みつけられたことは言うまでもない。
退院してからも何度か寿司屋に連れていってもらったが、あれほど美味いと感じた事はいまだにない。

後になって家族に確認したところ、実際には同じ日の出来事だったという。
つまり病室に寄って僕に会い、希望を聞いた上で近所のスーパーに寿司を買いに行き、再び病院に戻ってきてくれたらしいのだが、病気で意識障害と記憶障害を起こしていて混乱し、日にちや時間の感覚が完全に麻痺していて、1,2週間後に再び家族が見舞いに来てくれたと錯覚してしまったようだ。

この先、おそらく死ぬまで、毎年この時期になるとあの日の寿司の味を思い出すのだろう。
エリザベス女王杯やマイルチャンピオンシップ、ジャパンカップの声を聞くたびに・・・。
競馬に魅せられた人間はレース・スケジュールがカレンダーそのものなのだから。
・・・18に続く

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この記事へのコメント

2005年11月24日 17:24
病院のおかゆって、絶対美味しくないですよね。
本当にその時のお寿司は、何よりも美味しかったことでしょう。
元気になられていろいろ美味しいものを食べられるようになったから、
なおのこと、あの時ほどはって思えるのだと思いますよ。
お正月に美味しいおせちがいただけるかは、お馬さん次第かな(^_^;)
らび
2005年11月24日 18:25
このサイトを食事中に見ることが多いのですが、あらためて食べ物の有難みを感じるお話ですな。「空腹は最高のスパイス」とはいいますが、この場合は「渇望」って言ったらいいのかな。
いい話です。
野澤菜っ葉。
2005年11月24日 19:50
入院中おかゆばっかりだと辛いね・・・
私ももし そんな感じに好きなものをなんでも
OKって言ったら「寿司」だな(* ̄∇ ̄*)エヘヘ

大トロも~うにも~中トロも~あわびも~えんがわも~
好き 好き 大好きぃ~~~~♪
2005年11月24日 20:34
父親も入院中刺身が食べたいと良く言っていました。
また在宅看護をしているときも、食事が旨く取れなかったときは、夜、それなら寿しを買ってくると夜中にすしを売っている所を探して歩いた事を思い出します。

病院に勤めていましたが(結構いろんな業種を転々としています)
寿しは酢飯が出来ないのと食事制限の人に難しいということ、刺身はやはり生ものなので、また200人近い人の分をそろえるのが大変なので出せませんでした。200人分切っていたら最初の頃のはひからびてしまうので。
しかし、父親の入院していた病院は出たと言っていて何寝ぼけていると思ったら本当に出たそうです。しかし、生暖かくあまり美味しくなかったそうです、それ以来入院中刺身が食べたいと言いませんでした。
2005年11月24日 20:37
たあんとおめしあがりくださいませ
まちべーさま
ロイス
2005年11月24日 21:29
入院中の食事というのは、その病状にもよりますが、
“食”を楽しむということから、大きくかけ離れたモノですよね。
外科の患者さん用かと思いますが、
配膳のワゴンに天ぷらの盛り合わせを見つけたときは、
思わず盗んでやろうかと思いましたから(笑)
今は暴飲暴食の毎日です。ヾ(・・;)ォィォィ
タ~コ
2005年11月25日 09:49
うちの、母は昼の番組に影響されやすく、
体に、この食べ物が良いとか、これ飲むと良いとかやってますが、
私は、食べたい物が一番栄養になると思ってます。
そりゃ、バランスよく食べた方が良いのもわかってるけど、
その時食べたい物はおいしぃ♪おいしぃ♪って消化されるんだもんね。
きっと、この体のために働くぞ~って動いてくれると思ってる。
メルヘンだなぁ\(^▽^@)ノ アハハ
肉コロ
2005年11月25日 13:38
生涯忘れられない味。なんか素敵ですね。
私も2週間ぐらい入院してた時期がありまして
二度と出会いたくない!と思うようなお吸い物を口にしました。
病院食ですからね…
でも とある日の朝ごはんの献立に菓子パンが!
メロンパンだったかな? すごくおいしかった!
私 朝はパン派でしかも菓子パンが多いので嬉しかったなぁ。
その日以降から 朝ご飯が楽しみで またパンの日がこないか
待ちわびたのですが 結局その1回きりで無事退院を迎えたとさ☆
napo
2005年11月25日 19:31
以前、8ヶ月程入院生活を送っていた
時に病院の食事がまずくてまずくて、
退院時にはげっそりとやせこけて更に
病人の様な形相になったことがありま
す。
そして、塀の中にお勤めに行かれた経
験のある患者さんがおりまして、その
方がおっしゃるには『あの塀の中で食
べた魚肉ソーセージの美味さは格別だ
った』と貴重な体験談をお聞きした事
がございます。
明後日はジャパンCですね!!
マチベー
2005年11月25日 23:01
kuemamaさんこんばんは!
いや確かに病院食は味気ないですよね。けどそれだけではなく、自分自身の体が食べ物を受け付けなくなっていたので、余計にまずく感じたんだと思います。
>お正月に美味しいおせちがいただけるかは、お馬さん次第かな(^_^;)
うぅっ!痛いところを突かれました!笑。
マチベー
2005年11月25日 23:05
らびさんこんばんは!
この時は間違いなく渇望でしたよ。現代の日本に生きながらにして「飢え」ているんですから。そんなこと想像もつきませんでした。
本当に心の底から食べ物が食べられる有り難みを思い知らされました。
マチベー
2005年11月25日 23:07
菜っ葉さんこんばんは!
僕もヒラメの縁側大好きです!ハマチとか、光りものとか。
毎日お寿司が食べられるんだったら入院生活もバラ色ですけどねー!笑。
マチベー
2005年11月25日 23:14
v740gleさんこんばんは!
やはり調理の問題が大きいんですよね。そして日本人にとっては何と言っても生ものが食べられることが何よりの幸せを感じる瞬間でしょう!
マチベー
2005年11月25日 23:15
るうさんこんばんは!
えぇ。えぇ。たあんと召し上がりますよ~!笑。
美味しいものを食べることが何よりの幸せです!
るうさんもいつまでも美味しいものが食べられるように健康には充分に気を付けて下さいね!
マチベー
2005年11月25日 23:17
ロイスさんこんばんは!
ロイスさんの方は病気の種類からして、食事の制限がかなり厳しかったのではないですか?
退院してからその反動で暴飲暴食の日々になってしまうのも無理からぬところかと・・・。
再入院にならないように充分に気を付けて下さいませ!笑。
マチベー
2005年11月25日 23:19
タ~コさんこんばんは!
確かにあれがいいとか、これがいいとか色々聞きますが、結局のところは好き嫌いせずに何でも食べるのが一番体にいいんでしょうね。
好きなものを食べることによって生まれるプラスαの力が健康を引き出すのかもしれませんね!
マチベー
2005年11月25日 23:22
肉コロさんこんばんは!
そんなご経験をされてましたか。入院中に出るそういうちょっとしたサービスメニューみたいなのって、凄く嬉しいんですよね!
肉コロさんにとっては、そのメロンパンの味が一生忘れられない味になるのかもしれませんね!
マチベー
2005年11月25日 23:25
napoさんこんばんは!
>以前、8ヶ月程入院生活を送っていた時に病院の食事がまずくてまずくて、退院時にはげっそりとやせこけて更に病人の様な形相になったことがあります。
??病人ではないのに8ヶ月間も入院されたんですか!?
そして塀の中でお勤めされたお知り合いがいらっしゃるんですね!笑。
色々な経験をされた方がいらっしゃいます。
明日もあさってもジャパンカップです。お互い頑張りましょうね!笑。
2005年11月25日 23:50
私は正月に2回も入院
病院のお節を食べました お雑煮も
それがおいしかったんです!!
今の私の願い・・・入院したい
なぜって 体重減らせるから・・・・だめ!!
Jカップの予想早めにしてくれ!!
2005年11月26日 20:43
自分は入院したことがないので、記事を読んで なるほどなぁって勉強になりましたです。
健康が一番ですな!(^^)
Tommy☆
2005年11月27日 03:18
ブログを読むたびにマチベーさんが元気になった事を嬉しく思うよ☆★
その時、大好きなお寿司を食べれて元気になれたんだね!!
きっともうその時以上に感動したお寿司には出会えないかもしれないけど、今度お寿司食べに行こうよぉ!!
マチベー
2005年11月28日 18:18
deko-chanこんばんは!先日はどうもありがとうございました!
病院のおせちを2度も食べたんですか!?
それは忘れられないお正月ですよね。あ!そういえばクリスマスにはフライドチキンが出たのを思い出しましたよ!
で、ジャパンカップは・・・散々でした。苦笑。
マチベー
2005年11月28日 18:22
みはいるさんこんばんは!返事遅くてすいませんでした!
そうですよ。健康が一番です!
そうやって皆さんにも健康の有り難みを忘れないでいてもらう為に、こうして入院生活について書いたんですよ。このブログは警告のようなものです。ある意味「脅し」とも言いますが!笑。
マチベー
2005年11月28日 18:26
Tommyさんこんばんは!
本当にお陰様ですっかり元気になりました!そう言ってもらえると凄く嬉しいです!
お寿司食べに行きますか?ぜひぜひ行きましょ!喜んでお供致しますよ。年内に行けますかね?それとも新年会にしますか?笑。
2005年11月28日 21:05
病院でXmasですか。
有りましたXmas会が、Xmas会の当日土曜日の午後からといわれていました。
午前中に講堂に持っていくと言われ、袋の物を渡され結構重いです。
看護婦さん達とXmas会ダーと喜んでいたら。
午後から始まりました。
かなりしずかです。
前には黒い服の形が金色の十字架を背にお話をされています。
そうなんです、この病院クリスチャンだったんです。
本当のXmas会でしたしっかりお説教を聞いて終わりです。
袋の中身は十字架でした。
何人かの人は病室に回っていきましたが。
残念ながら私はクリスチャンでは有りません。
マチベー
2005年11月29日 16:08
v740gleさんこんにちは!
なるほど。かなり本格的なクリスマスを体験したんですね。
本来、宗教的行事であるクリスマスも、日本人の手にかかると単なるお祭り騒ぎのイベントと化してしまいます。
今の日本のクリスマスは原型をとどめてませんからね。苦笑。

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