第77回東京優駿(日本ダービー)展望!歴史は繰り返すのか?新しい歴史の始まりか?(前編)

いよいよ30日に迫った日本ダービー。今年のダービーは2000年代に入って以降で最高とも評される好メンバーが揃い、非常に興味深い一戦となりました。


今年は皐月賞で掲示板(1~5着)に載った全ての馬が揃うだけでなく、NHKマイルCの1・3着馬、青葉賞の1~2着馬、京都新聞杯の1~2着馬がもれなく出走。これだけの有力馬が集まることもなかなか無いですが、サバイバルレースの様相を呈しているクラシックロードにおいてステップレースで上位入線した馬がここまで順調に仕上がってくること自体が非常に珍しいことです。こういう年は長いダービーの歴史の中でもそう多く見られるものではありません。
その中でも注目されるのはやはり2強と目される2頭の存在とその巡り合わせの不思議でしょう。2頭とは今さら言うまでもなく、皐月賞馬の⑦ヴィクトワールピサといまだ負け知らずで最強の挑戦者⑨ペルーサです。


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この2頭にはただならぬ因縁があることは以前にも書きました(※)⑦ヴィクトワールピサの父は2003年に皐月賞、ダービーの2冠を制したネオユニヴァース。一方、⑨ペルーサの父はゼンノロブロイで、同じ2003年のダービーに出走してネオユニヴァースの2着でした。

2頭はその足跡がそれぞれの父親と非常に良く似ていることもいっそう興味をかき立てられる要因です。⑦ヴィクトワールピサの戦績はこれまで6戦5勝2着1回。デビュー戦で2着のあと、破竹の5連勝で1冠目を制しました。一方、父のネオユニヴァースも新馬を勝って2戦目で3着と敗れたあと、4連勝で皐月賞を制覇。ともに重賞3連勝中の勢いのままにダービーまで駒を進めてきたのは血のなせるわざなのかもしれません。しかも土日の東京は天候がぐずつきそうで、これで当日、雨が降って馬場が悪化するようならますます父の時と似てきます(2003年のダービーは重馬場)。

一方の⑨ペルーサ。2歳11月のデビュー以降、4戦無敗で土つかずの4連勝中ですが、トライアルの若葉Sを快勝したにも関わらず、小回りの中山コースを嫌って皐月賞をパス。府中開催を待って青葉賞に出走し、4馬身差という圧勝でダービーへ駒を進めてきました。父ゼンノロブロイは2戦目のすみれSで3着と敗れていますが、その後の3、4戦目を楽勝して4戦3勝でダービー出走ということで、青葉賞を強い勝ち方で制したところとダービー前に底を見せていないところは親子で共通しています。

ネオとロブロイは種牡馬としても良きライバル関係で、一足先に種牡馬デビューしたネオが初年度産駒からいきなり皐月賞馬アンライバルド、ダービー馬ロジユニヴァースを輩出。一方のロブロイも負けじと初年度からオークス6頭出しで1・3・4着と上位を独占する快進撃。先週に引き続いて今週のダービーで2週連続のG1制覇を狙っているのです。


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好対照は周囲の人間模様でも見られます。ヴィクトワールが栗東の角居厩舎所属なら、ペルは父と同じく美浦の藤沢和雄厩舎所属。藤沢厩舎は90年代以降、常に日本のトップトレーナーとして君臨してきた偉大な厩舎ですが、近年は勝ち鞍こそ多いものの、良血馬や血統馬が揃う厩舎としては大レースでやや物足りない成績でした。藤沢厩舎が勝ちあぐねている一方で、瞬く間に階段を駆け上がり藤沢厩舎に肩を並べるまでに急成長したのが栗東の角居厩舎。

二人に共通しているのは開業してすぐに若くしてトップへ登りつめたところだけではありません。揃って国際派調教師の代名詞としても知られ、常に世界に目を向けてチャンスがあれば積極的に海外遠征に挑むチャレンジャー精神を持ち、外国人ジョッキーとも通訳なしでコミュニケーションが取れる語学力なども一致しています。
長年ダービーを勝ちたいと願いながらあと一歩届かずにいる藤沢厩舎にとって、ウオッカであっさりダービーを勝ってしまった角居厩舎は格好の対戦相手。いつも通り言葉や表情は穏やかな藤沢師ですが、対抗心を燃やして内心は穏やかではいられないはずです。


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調教師だけでなくジョッキーの対決も見もの。ヴィクトワールに騎乗する岩田康騎手とペルに騎乗する横山典騎手、いずれも実力は日本のトップクラスでありながら、これまでは武豊騎手の陰に隠れてどこか存在が地味に映ってしまうところがありました。しかし、今年はその武騎手が落馬による負傷で長期離脱していることもあり、二人が大きくクローズアップされることに。

岩田康騎手はデビュー以来ずっと手綱を取ってきたダービー4勝ジョッキーである武騎手のケガにより、急きょヴィクトワールに騎乗することが決まりました。その結果、今年は悲願のダービージョッキーになる可能性も現実味を帯びてきました。一方の横山典騎手も武騎手が離脱している間に大レースを勝ちまくり、5月27日現在で既に重賞11勝、勝ち鞍も70勝でトップを独走しており、初めての全国1位も視野に入ってきました。これまで関東リーディングは何度も手にしてきたものの、全国では武豊の厚い壁に阻まれて1度もトップに立つことができなかった横山典騎手にとって今年は絶好のチャンス到来です。

「剛腕」と評され、泥臭くも力強い騎乗スタイルで関西を拠点に活躍する岩田康騎手と日本一美しいと評価されるしなやかな騎乗フォームで関東を拠点に活躍する横山典騎手は、騎手としてのスタイルはあまりに対照的ながら武豊騎手の長期休養により、長年の悲願を実現できるかもしれないという点では完全に一致する二人です。馬と騎手と調教師、全てが日本のトップ同士のガチンコ対決になるという意味で、今年のダービーは本当に歴史的な一戦になることが期待されています。


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後編に続く



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この記事へのコメント

ろこ
2010年05月28日 17:15
続編…

待ってるよぉ~(^-^)v
2010年05月29日 02:12
7年前の再現となるのか。
はたまた新しいヒーローの誕生か。
楽しみなレースとなりました。
私は、マンハッタンカフェの仔を応援します。

日高が支えたこの種牡馬に、日高の夢を復活させたい。
2010年05月30日 13:45
ろこさんこんにちは!引き続きコメントありがとうございます!
>続編…
待ってるよぉ~(^-^)v

お待たせしました。同窓会に出ていたりしてアップするのが遅くなりましたが、ようやくアップしましたよ。至って月並みな予想ですけど(笑)。
2010年05月30日 13:52
フセイン八木さんこんにちは!コメントありがとうございます!
>7年前の再現となるのか。
はたまた新しいヒーローの誕生か。
気持ち的には新ヒーローに誕生して欲しいのですが、検討すればするほど7年前の再現になりそうな気がしてなりません(笑)。
マンハッタンカフェ産駒も大活躍してますね。2歳戦や3歳クラシックでもこんなに走るとは思いませんでした。お父さんは3歳秋から4歳春までの実質わずか半年ほどしか活躍できませんでしたが、子供たちには息長く活躍して欲しいですね。

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