ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 英語学習の教材にもオススメ

8月1日の映画の日に見たもう1本の作品は『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』でした。
(新宿角川シネマにて)


誰もが知っている巨大ハンバーガーチェーン=マクドナルドが、いかしにて現在のような世界有数の巨大帝国を創り上げるに至ったかを、実話に基づいて描いた成り上がりストーリーです。

~あらすじは公式サイトから~
1954年アメリカ。52歳のレイ・クロックは、シェイクミキサーのセールスマンとして中西部を回っていた。ある日、ドライブインレストランから8台ものオーダーが入る。どんな店なのか興味を抱き向かうと、そこにはディック&マック兄弟が経営するハンバーガー店<マクドナルド>があった。

合理的な流れ作業の“スピード・サービス・システム”や、コスト削減・高品質という革新的なコンセプトに勝機を見出したレイは、壮大なフランチャイズビジネスを思いつき、兄弟を説得し、契約を交わす。次々にフランチャイズ化を成功させていくが、利益を追求するレイと、兄弟との関係は急速に悪化。やがてレイは、自分だけのハンバーガー帝国を創るために、兄弟との全面対決へと突き進んでいくーー。


本当の意味でのファウンダ=創業者は、主人公のレイではなくディック&マック兄弟。彼らは真面目で誠実、仕事熱心かつ善良な心の持ち主。お客様を大切にし、本物の味を追求してきたからこそ店は繁盛し、優れたシステムも作り上げることができたし、あの丸みを帯びたエムのロゴ=ゴールデンアーチも彼らの考案したデザインだったと、今さらながら知りました。

ただこの兄弟、仕事熱心なんだけどお人好しで欲がないもんだから、結果として野心メラメラかつ口八丁手八丁のレイに言いくるめられ、最終的にはそのビジネスモデルと店の権利も「極めて合法的な手段により」奪われてしまうのが悲しいんです。そしてついには、レイが自らを「ファウンダー(創業者)」と名乗るようになり、いつの間にかすべてレイが作ったものであるかのように社会にも認識されるようになる過程が、ドラマチックに描かれています。

「タマゴが先か、ニワトリが先か」はレイの得意な決めゼリフの一つですが、優れたビジネスモデルを作り上げたのはディック&マック兄弟でも、そのシステムを進化させてより大きなビジネスモデルへと発展させたのは紛れもなくレイの行動力と信念であるという動かしがたい事実。果たして、巨大チェーンの生みの親であるニワトリ=ファウンダーは、兄弟なのか、レイなのか…。その疑問こそがこの作品のキモであり、映画の内容をすべて集約した一言がこのセリフなのです。

主人公レイは、ヒマさえあれば各地の店舗を視察に訪れ、マニュアル通りの店舗運営がなされているかをチェック。店の周りにゴミが落ちていれば自ら拾ってホウキで掃くほど、お客様を喜ばせる為には労を惜しまない本当に愚直なまでの努力家であり、信念の人。それだけなら二宮尊徳みたいに尊敬される偉人だと素直に思えそうなものですが、レイの場合はというと自らの目的や欲しいものを手に入れる為なら、手段を選ばない極めて非情な判断ができる一面も持ち合わせています。そこが価値観によって評価の分かれるところなのではないでしょうか。

自分のビジネスにメリットがないと判断すれば、長年の親しい友人と容赦なく縁を切り、自分のビジネスにとって恩人であるディック&マック兄弟とも躊躇なく決別。さらにビジネスで最大の戦力となってくれた部下とも絶縁するわ、ついには長年支えてくれた糟糠の妻とも離婚してしまう始末。ダメ押しにフランチャイズ拡大に協力してくれた、ビジネスパートナーの美しい妻に目をつけるや、いつの間にか彼女と略奪婚までしてしまうという、ディック&マック兄弟側に近いメンタリティを持つ僕にはもはや理解不能な宇宙人のような人物であります。

それでも彼にはまるっきり悪びれるところがないからタチが悪い。レイ本人が語った実際の音声も映画の中で登場しますが、「昔はそれなりにヤバいこともやってきたよ(笑)」とサラッと笑いながら振り返れるあたり、これまで踏み台にしてきた人たちへの慚愧の念など一切なく、これっぽっちも悪気が無かったようにケロリとしている様子には、嫌悪を通り越して清々しさを覚えるほど。

飲食ビジネスを始めるまで、ピアノのセールスやミキサーのセールスなど、様々な商品の営業マンを続けてきた彼は、一度セールスを断られた相手に対しても、何度も繰り返し押しかけてはそのたびに新しい商材を平然と売り込みます。本当に図々しく、ツラの皮が厚くて、鋼のようにたくましいメンタルを持つレイ。このハートの強さは、ビジネスで成功を収めたい人たちにとって鑑であり、仕事をする上での良いお手本です(マネできる人はなかなかいないでしょうが)。

野心家の主人公がいろいろと失敗を重ねながらも、苦労の末についに大きな成功を手にするという一発逆転的なサクセスストーリーなのですが、相手との関係性にも配慮する日本人的な価値観を持つ人の感覚からすると、こういう人とは家族や友達には絶対なりたくない人間だなと、多くの人が思うのでは。

小気味よいテンポで進む展開と結果が分かっていても痛快なセリフの応酬で、娯楽映画としても十分に楽しめるし、レイ・クロック役のマイケル・キートンの演技も大きな見どころでした。点数をつけるなら星は4.5個つけたいですね。個人的には、歌の歌詞に良く出る英語の決まり文句がセリフに頻出するので「なるほどこの熟語は、こういう場面で使うのか」と非常に参考になりました。僕などは今さら英語を喋る機会はほぼないですが、現役で英語を勉強中の学生さんやビジネスマンには、英語学習の教材としても参考になる作品なのではないでしょうか。




ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
Rambling RECORDS
2017-07-26
カーター・バーウェル

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